ミオリー

一人称:あたし
性別:♀


ティンバーリオの奏者でありタップダンサー。
通常の個体よりも耳が短い。
ティンバーに仕えつつ、ゆるやかにタップを踏んでいる女性。
 
おっちょこちょいなのがたまに傷。
塩砂糖を入れ違えたり、お使いの行き先を間違えたり、タップの加減を失敗して森の花を急成長させてしまったり等、まだまだ森での生活には慣れていない様子。
共に仕えている事からキースとは大変仲が良さそうなのだが、二人とも好意に関してとても無自覚である。


▼会話する
「あたしはミオリー。まどろみの森へようこそ!」
「怪我しちゃってからあんまり長い時間タップは出来ないんだ。ノってきちゃうとつい動きたくなるけど、我慢しなきゃね」
「ティンバーと契約した後あたしがすっ倒れてた時、森の皆がずっと面倒見てくれてたんだって。契約、最初はちょっと不思議なものが身体に流れ込んでくるような感じだったんだけど、だんだん内蔵がひっくり返る様なというか何というか……ううう思い出すの辞め!」


■Story

森に願いを

ミオリーは誰もが眠る夜更けに森を散歩する。
彼女が所属していた劇団から解雇されてしまったのはついこの前。
タップダンサーの彼女は練習中の怪我をきっかけに、あまり激しい動きを長時間行うことが困難になった。
その事を定の良い理由にして。実際は、他の同種よりもほんの少し耳が違うことを煙たがられて。
 
「耳短でも、頑張ってたんだけどなあ」
 
実力では一番であったが、それを疎む者も多かった。半ば追い出されるように舞台から追われてしまった彼女は、今は一人で月明かりの下をぽつぽつと歩いている。
 
「あ、こっちから先は神域か……。本当に霧がすごくて何にも見えないや」
 
各所にある神域と呼ばれる場所は、理司る存在とそれに仕える者たちが居る場所だ。
神職には何ら縁のないミオリーでも、この森にまつわるお伽噺くらいは読んだことがある。
 
怪我で倒れていた少女に生命司る神が、一足の靴を与える。それを履いた少女はすぐに元気を取り戻し、その靴を履いて歩けば、歩いた場所にはたちまち花が咲き誇ったというような、そんな話だ。
 
ふいに、何を思いついたのか。
ミオリーは息を大きく吸って、霧の先に叫んだ。
 
「……もしもーーし!生命の神様ーー!手負いの耳短タップダンサーなんて、雇ってくれたりしませんかーー!!」
 
森には静かに声がこだました。
あまりにも静かな森にその声は響いて、段々と小さくなる。
響く声が消えた頃には辺りは再びしんと静まり返り、虚しさだけが心に残った。
夜更けに一人、何を馬鹿な事をしているのだろうか。
そう自分自身に大きくため息を吐いて、いつの間にか涙ぐんでいた目を擦った。
 
もう帰ろう、帰る場所も無くなってしまったけれど。
そんな風に思って、霧の先から目を離した時だった。
 
「雇おう!と言ったら、どうする?」
 
凛とした声に振り返ると、そこには、