一人称:我
性別:♀
森の賢者。愛称はサリエラ。
テトや神凪を近くで見守りながらゆっくりと過ごしている。
賢者と言われるだけあって知識は豊富。助言を求めてサリエラの元に訪れる者も少なくはない。
まどろみの森には古くから住んでおり、テトの先代である神珠のことも知っている。
太古の昔には司祭をしていた。
自分と同じく、異なる頭と体を持つ者についても詳しい。
▼会話する
「我はサリトゥエラ。サリエラで構わない」
「見た目に戸惑うのも無理はなかろう。我は自分の記憶がはっきりしていた事も災いして、慣れるのにも受け入れるのにもかなり時間がかかった」
「あやつらカレーばかり食べておるが……。まあ務めをしっかり果たしている分、好きな事は存分に楽しんで欲しいものじゃ」
■Story
いつか訪れるその日まで ※ストーリー後
彼女は言った。
「今ちゃんと目覚めてるのは貴方だけ。他は……時間的にも猶予は無いわ。諦めて」
彼女は言った。
「今すぐ選びなさい。私に着いて行くか、ここでぐずってるか。どうする?」
そうして選んだ。彼女の手を取って
「……サリ、これー。なあ、に」
「うん?すまんのすまんの、うたた寝しておった」
サリエラはメモルハーヴに揺さぶられて、白昼夢から目が覚める。
ずいぶんと懐かしい景色だった気もするが、今は目の前に絵本を差し出して来る彼女だ。
「なんぞ、魔女の石のお伽噺じゃな。……この石、実はなんの効果も無いただの綺麗な石なんじゃ。面白いじゃろ?」
「ない?」
「うむ、昔は透明度の高い物なぞ貴重だったからの。鏡、まあ祭具として魔女の一族が村に授けたんじゃ」
ペラペラと頁をめくり、お伽噺を読む。
村人たちは、助けた魔女から授けられし輝く石に、願い事をするようになった。ある日村には厄災が襲いかかった。
魔女の石は、村人たちの「助けて欲しい」という願いを聞き届け、村を厄災から救ったという。
あの時迷いもなく魔女に手を差し伸べたからこそ、石が彼らを守ったのだという話が描かれている。
「これはもう少し古い本になると話がちょっと変わるんじゃ。ヴェルカ様が持っておりそうだから、今度借りてこようかの」
「かわる……」
「石が願いを叶えたわけではなくて、願った人々が願いに乗じてきちんと行動を起こすんじゃ。あの時助けた魔女に知恵を借りに行ったりの」
事実とはそういうものである。
お伽噺は良い塩梅にアレンジされていると、サリエラは絵本をメモルハーヴと眺めつつふむふむと頷いた。
「我らもそう。生まれ方こそ選べばせぬが、何をするか、どう生きるかが大事……ってハーヴ。ちょっと話しただけぞ、もう寝ておるのか」
気が付けば、メモルハーヴは目を瞑り船を漕いでいた。
「……」
サリエラは、気付いている。
不完全な生まれの彼女。ここに来た時から眠る事自体確かに多い方であったが、その頻度や、長さが、だんだん変わっていることに。
ぱたりと絵本を閉じて、眠ってしまった彼女の身体を自分に傾けさせる。小さな身体でそっと抱き止め、頭をゆっくりと撫でた。
「……どう生きるか。そうじゃろ、神珠」
どうか、彼女にもう少しだけ安らかな日々を。
瞼の裏に映る、あの日彼方へ消えた蒼き後ろ姿に願った。
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