兎は一冊の本を読む

 
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白き創世の神が創りし世界は、緩やかに、緩やかに発展を進めていた。
しかし突然、空を割いて異次元から異質な存在が現れた。
「ネクロズマ」と、それに纏わるビーストと呼ばれる者たちだ。
彼らの持つ文明はこの世界が持つ文明とり遙か先の高度な物であった。彼らが訪れてから世界からは徐々に光が失われ、そして異様とも呼べる勢いで発展と進化を同時に遂げていった。
 
まだ種同士のつながりも薄く、理司る神々たちも今ほど人を寄せ付ける者たちだけではなかった。
力を持たない者たちの中には、来訪者側へ着いた者らも少なくはなかった。
世界はあっという間に、混沌と化してしまった。
 
己が領分を守ろうもした結果、来訪せし者たちと交え争うことになった海と大地や、大地から離れ空に居場所を移す者、傍観する生命、怒りを抱え見境無くなった死、蹲る赤い太陽と、それを護る赤い月。
どこもかしこも、手の付けようが無くなった。
 
白き神はとても悩んだ。
白き神は世界を創ったに過ぎない。既に自分の手からはほとんど離れたと言っても過言でないそれを、どうするべきか。
神が出来るのは、創った世界を一度ゼロに戻すか、壊すか。
二択だった。
だから神は、自分の身を削って三つ目の選択肢を取った。
古来から白き神を信仰していた一族に、剣と盾を。
蹲る太陽に槍を。月に星観の杖を。
それらを授ける遣いとして、側にいた三人の理を世界に。
 
白き神はその代償として長い眠りに着く。
そして神の空間にて、たった独りぼっちになった。
 
その後の世界は……
 
 
「色々あって、主に神珠とレイが大暴れ。あれらはもう二度と関わりたく無いってくらい蹂躙されて、僅かに残ってた奴らは異次元を割いてどこかに行ってしまった。で、神珠はそれらも追ってどこかにいっちゃった」
「あ、ちょっとティンバー様!?本取り上げないでください!」
「勉強熱心で何よりだけど、本ばっか見ててもしょうがないかもよ?」
「……なんかティンバー様もヴェルカ様も、神珠様?って人にめちゃくちゃやられたって記述が見えたような、」
「はいはいおしまいおしまい。」
「えぇ、教えて下さいよー!」