■登場人物
■あらすじ
それは聖夜も近い冬のある日のこと。
町で人気のキャンドル屋、店主のローエンは絶賛片想い中だった。
常連客の気になるあの子が誕生日だというのだから、とっておきのキャンドルをプレゼントしようと意気込んでいた矢先、いつまで経っても依頼した材料がやってこない。
どうやら便利屋がトラブルに巻き込まれているようで……。
タイムリミットはあと何時間?
友人と協力し、何としても材料を見つけなければ。
■会話の記録
「助けてルーウェル!」
「すまないね。盗まれたっていうか、単に勘違いで持っていかれちゃってさ」
「搬入先がどこか……。ねぇ、他に花を欲しがってるような所ってどこだろう」
「いや〜なんか頼んでいた物よりもずいぶん良いお花が届いてびっくりしたよ!……え、どうしたの二人とも、え、ちょっと!?」
えんでぃんぐ
何とか材料を見つけたローエンとルーウェルだったが、材料だったはずのそれは、アイドルの衣装装飾ヘすっかり変化し綺麗な花のワンピースが出来上がっていた。
本来の衣装用の造花と入れ替わってしまった結果である。
偶然とはいえ使ってしまった代わりにと
「じゃあこれ代わりにあげる、貴重なんだからね!」
とスピカは衣装のリボンにサインをしそれをローエンに渡した。
材料は、アイドルのサイン入り衣装リボンへと変わったのであった。
とぼとぼ歩く帰り道の中でルーウェルが言った。
「よく買いに来てくれる人だったっけ?そもそもどうやってプレゼントなんて渡すつもりだったのさ、今日買いに来るとは限らないだろうに」
「あ……」
「考えてなかったんだ……」
ポンコツぶりも発揮しつつ店に戻ったローエンは、貰ったリボンをツリーの一番上に飾ってみた。
案外様になるものである。
ぼんやり眺めつつ仕事をしていると、
「これ、スピカちゃんの……?」
と一際目を輝かせているお客さんがいた。ローエンの気になる彼女であった。
彼女はスピカの大ファンだったのだ。
ローエンはプレゼントこそ渡すことが出来なかったが、スピカのリボンを話の種に、買い物やりとり以外でようやく彼女と会話をすることが出来た。
やっと進んだ一歩の進展。彼の様子が心配になりこっそり見に来ていたルーウェルは、なんとも嬉しそうな顔で会話を楽しむ友人の様子にやれやれと苦笑いをしてそっと立ち去るのであった。