■登場人物
■あらすじ
双子のハイドレンジアとハイドレンジアは仲が悪く、顔を見れば言葉を交わせば大喧嘩だ。
だから各々、自分の側近に近況報告や情報連絡も全て任せきりにしていた。
ある時ハイドレンジアは自身の側近ユーリーラスにひとつ悩みを聞いて欲しいのだと相談される。
「私……ハイドレンジア公の側近さんに恋をしています!」
「……嘘でしょあいつの??」
うちの側近をあいつの側近に渡せるわけが!と、そんなやりとりはハイドレンジアの方でも行われていた。
果たして2人は無事に結ばれることが出来るのか。
■会話の記録
「付き添い人同士が喧嘩して破綻したって本当かい?」
「私家族は居ないから分からないけれども、でも家族と仲が良くないって、きっと寂しい思うの。これ以上喧嘩して欲しくないもの、我慢できるわ」
「ハイドレンジア様あ……エルが、エルが演奏気分じゃないって……」
「いよいよ深海に見た事無いような変な苔とか藻とか生え始めた、やっぱりユーリさん……。ねえ、なんとかしてよハイドレンジア様」
えんでぃんぐ
連絡を絶って以降あまりに消沈している側近と、見かねた他の面々からの催促もあり、二人のハイドレンジアは双方ようやく重い腰を上げた。
「また派手な喧嘩にならなきゃいいけど」と警備隊たちはハイドレンジアを見送るが、言葉とは裏腹にその表情はどこか嬉しそうであった。
皆、二人が仲良くはならずとも、それでも家族として向き合って欲しいとずっと想っていたからである。
こうしてハイドレンジアは対峙する。双子だけで会うのもずいぶん久しい事であった。
かつては海と大地を巡り、時には争うこともあった二人だが、お互い今はそれほど悪くは無いと思っている所もあり無闇に戦いはもう起こしたくないという気持ちは同じであった。
「だってもうとっくの昔にさ」
「珠は渡し合った……か」
「そういう事で良いんじゃない?」
無事に和解……とまではまだ難しそうだが、長い時間が空いた距離を埋めたのか、ぽつりぽつりと話すことは出来たようだ。
平和もそうであるが、なにより今でも自分たちを支えてくれる仲間たちのためにも、二人は僅かながらでも歩み寄る事を約束した。
その後ユーリとエルは告白も叶い、加えて今でも大地と海間の情報交換をし合っている。時々暇を見つけては、二人で出かけるような事も増えたという。
そんな二人から一つ、減った仕事がある。
双子ハイドレンジアが、近況報告くらいは自分達でやるようになったからだ。